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心理コラム

うつ病ってどんな病気?

2024.04.08

「うつ」や「うつ病」という言葉はよく聞きますが、いったいどんな病気なのでしょう。「うつ」は抑うつ的な気分に陥るという症状の一つであり、正式な病名ではありません。また「うつ病」は、抑うつの症状をともなう「抑うつ症候群」のいずれかを指して用いられていることが多いと思われます。

【抑うつ症候群】

抑うつ症状をともなう病気には、以下のようなものがあります。

  • 大うつ病性障害
  • 持続性抑うつ障害(気分変調症)
  • 月経前不快気分障害(PMDD)

 大うつ病性障害は、一日中続く抑うつ気分、ほぼすべての活動での興味や喜びの減退、死について考えてしまう、認知機能や睡眠の障害、食欲減退などの症状が顕著で、社会生活や日常生活に大きな影響を及ぼします。抑うつと躁の症状を持つ双極性障害と異なり、抑うつ症状のみが現れるため、単極性うつ病ともいいます。大うつ病性障害には薬物療法が有効であるといわれています。

持続性抑うつ障害(気分変調症)は、大うつ性障害よりも比較的軽度の抑うつ症状が長期間持続している場合に診断されます。本人の努力でなんとか日常生活を送れていることも多い一方で、患者の困り感が病気であるという理解を周囲から得られにくく、やる気の問題などと誤解を受けることもあります。ネガティブな思考も病気による症状と考えらるため、認知行動療法などの心理療法と薬物療法を並行することが有効だと考えられています。

月経前不快気分障害(PMDD)は、月経前症候群(PMS)の中でも特に精神症状が強く表れている病態をさします。月経周期に著しい気分の不安定さ、イライラ、抑うつ、不安感などがあらわれます。「PMSが重い」という自覚がある人の中に、PDMMの人が一定数いるといわれています。治療は、薬物療法、ホルモン療法、漢方薬、認知行動療法などがあげられます。

「うつ病」とひとことに言っても、症状の現われ方や症状の重さは異なります。「うつは心の風邪」といわれることがあります。心の病気は誰でもかかることがあるという意味で考えれば、その通りかもしれません。しかし、単なる風邪だと軽く考えていたら、高熱や肺炎で命にかかわる事態になることもあります。うつも同じです。「最近ちょっとおかしいな…?」と思っても、仕事や学校や家事ができるからまだ大した事ないだろう、病気というには大げさかもしれないと、多少無理をしてでも頑張り続けてしまう人もいます。しかし、症状が深刻化すると、これまで普通にできてきたことができなくなり、気が付いたら何も手が付かなくなり、生きる希望もなくしてしまうことがあります。心の不調を感じたときは、すぐに心の専門家に相談してみましょう。心療内科や精神科のハードルが高いと感じるのであれば、専門知識を持ったカウンセラーが在籍する「こころの相談室」にご相談ください。

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